組踊鑑賞

組踊とは

数ある趣味の中でも、最近静かなブームとなっているのが「組踊(くみおどり)鑑賞」です。
組踊りというのは、沖縄に古くから伝わる芸能のひとつです。
沖縄は伝統芸能の宝庫とも言われる土地で、民族芸能や宮廷芸能が琉球王国時代から発達してきました。
組踊は「御冠船踊(おかんせんおどり)」と並んで首里王府が中国皇帝の使者である冊封使(さっぽうし)の歓待儀式で演じられた芸能です。

組踊は音楽と踊り、セリフで構成されており、形式が歌舞伎に近いのが特徴です。
セリフには沖縄の古語が使われており、踊りには琉球舞踊が用いられています。
組踊を創作したのは18世紀初頭の踊奉行(当時の役職のひとつ)・玉城朝薫で、最初に演じられたのは「二童敵討(にどうてきうち)」と「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」の2つの演目です。

宮廷内で発展した組踊は、1879年に王国が滅亡したことによって活路を失います。
役者や奏者たちは那覇の芝居小屋で庶民向けの芸能として組踊を再開します。
一方、組踊は村祭りの奉納芸能としても生き残りました。

2010年にはユネスコ無形文化遺産に

何度か絶滅の危機に遭遇した組踊ですが、1972年には国の指定重要無形文化財にも認定されており、新作舞踊も発表され続けています。
平成22年11月16日には、ユネスコの無形文化遺産保護条約に基づいた「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」にも記載されました。
現在では、沖縄を代表する文化として世界的な評価を受けています。

国立劇場おきなわでは組踊養成研修を開催しており、若手の継承者も育っているのが現状です。
研修生は1年に1度の頻度で募集を行っており、希望者は実技試験と面接によって選考されます。
組踊の研修生募集に応募するためには、中学生卒業以上の男子で原則的に30歳未満、沖縄伝統芸能に関する素養を有することが条件となっています。

国立劇場おきなわで組踊を鑑賞

組踊は、国立劇場おきなわで鑑賞することができます。
国立劇場おきなわでは年間を通じて組踊の公演を開催しており、坂東玉三郎の出演による新作組踊「聞得大君誕生(ちふぃじんたんじょう)」などは大きな話題を読みました。
「聞得大君誕生」は東京の国立劇場でも上演されています。
国立劇場おきなわの上演スケジュールは、同劇場のホームページで確認することができます。

チケットはオンラインでも購入できますので 、沖縄以外の地域に住んでいる人はまずオンラインでチケットを購入し、旅行のスケジュールを立てるのがおすすめです。
最近では「銘苅子」や「真珠道」などといった組踊の作品が国立劇場おきなわで上映され、好評を博しました。
東京で観て興味を持ったら、現地に赴くのがおすすめです。

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